01 / MFO-3 REVIEW
レンズが合わなくて、撮影の機会を逃したくない
60mmのレンズもポートも、すでに持っています。それでもMFO-3を買ったのは、両方を旅先に持っていく手間と、撮影の機会を逃すことを減らしたかったからです。
60mmで潜った日に、105mmが合う被写体が出る。逆に105mmで潜った日に、大きな魚やヒレの長い生物に会う。こういうとき、「今日はレンズが違うから・・・」で終わるのはもったいないですよね。
毎日潜れるなら、次の日に構成を変えて撮り直すこともできるかもしれません。でも、休みを使って潜る側には、そもそも次の機会がいつ来るか分からない。
会えたときに、できるだけ撮れる状態にしておきたい。ここが、MFO-3を買った一番大きな理由です。
02 / MFO-3 REVIEW
D850と105mmに、MFO-3を組み合わせる
MFO-3は、100mm前後のマクロレンズと組み合わせて、約60mm相当の画角で撮影できるコンバージョンレンズです。カメラの中のレンズは105mmのまま、ポートの前に取り付けて使います。
| カメラ | Nikon D850 |
| マクロレンズ | AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED |
| ハウジング/ポート | SEA&SEA MDX-D850/DXマクロポート87 |
| コンバージョンレンズ | Nauticam MFO-3 |
| フリップ | Nauticam シングルフリップレンズアダプター |
| ストロボ | INON Z-330 × 2灯 |
普段の機材構成については別の記事にもまとめています。ここでは、MFO-3を使って感じたことを中心に書いていきます。
03 / MFO-3 REVIEW
MFO-3を付けて、実際に撮れた写真
まずは作例から。ここに載せた8枚は、すべて105mmレンズにMFO-3を付けて撮影しています。トリミングはしておらず、Lightroomなどで撮影後の編集もしていません。いわゆる「撮って出し」です。
画像は、表示を軽くするために掲載用の縮小・圧縮だけ行っています。トリミングはせず、写る範囲と縦横比を保っています。色や明るさの調整もしていません。
普段のダイビングでも見かける魚が多いので、どんな大きさの被写体を撮っているか、イメージしやすいかなと思います。個体の実寸を測った比較ではありませんが、画面に入る姿を見てもらえれば。
大きな体も、広がったヒレも
ミノカサゴのようにヒレが大きく広がる魚や、体の大きな魚を撮るときは、MFO-3がかなり使いやすいです。105mmだけだと窮屈に感じる被写体も、撮りたい姿を画面に入れやすくなりました。
ストロボを当てて、体やヒレの模様を写す。こういう魚をちゃんと撮れるようになるのが、うれしいところですね。
体の色や模様を、写真に残す
こちらも、頭から尾まで入れた写真です。赤や黄色の模様、細かい斑点まで写せました。
MFO-3を付けるだけで勝手に色が出るわけではなく、ストロボを当てて撮った結果です。それでも、こういう被写体を撮れる範囲が広がったことは、実際の写真を見てもらうのが一番伝わる気がします。
写真によって、光の当たり方も色の見え方も違います。今回は色をそろえる編集をせず、そのままの作例として並べています。
1匹だけでなく、周りの魚やサンゴも
ハナゴイの群れや、サンゴの周りを泳ぐキンギョハナダイも撮影。1匹のアップだけでなく、周囲の様子を入れて撮れるのも楽しいです。
ただ、今回は同じ被写体を同じ距離から撮った、105mm単体との比較写真はありません。「同じ条件で、これだけ広く写る」という見比べは、今度撮ってきたいと思っています。
04 / MFO-3 REVIEW
特に使いやすかったのは、浮遊系と生態行動
MFO-3が合うと感じているのは、体が大きい・長い生物と、動きが速くて105mmでは追いにくい生物です。ミノカサゴやハタの仲間はもちろん、浮遊系にもかなり合います。
12月の伊豆大島でナイトダイビングをしたときも、MFO-3を使っていました。大瀬崎でフリソデウオを撮ったときにも、かなり助けられました。
フリソデウオはヒレが長いので、105mmだけで全身を入れようとすると厳しい・・・。しかも、浮遊物や濁りがある中で、遠くから撮りたくはありません。近づいた位置から広く写せるのが、ありがたかったです。
ハナダイの仲間の産卵を追うときも、60mm相当の画角の方が撮りやすいと感じています。動きが速く、105mmの狭い画角では追いきれないことがあるので。
浮遊系や生態行動を撮りたい人には、かなり強くおすすめしたいです。こういう撮り方をするなら、本当に買ってよかったと思えるレンズでした。
大瀬崎で浮遊系を撮る!キアンコウの幼魚とフリソデウオに夢中|旅⑦ →
公開準備中。公開後にこちらから読めます。
05 / MFO-3 REVIEW
ピントが合う距離は、無限遠までではない
ここは、使う前に知っておきたいところ。MFO-3は、遠くまで無制限にピントが合うレンズではありません。
公式の対応表では、使っているAF-S 105mmとの組み合わせは、レンズ先端から被写体まで5〜1490mmと案内されています。これはメーカーの公称値で、このハウジング一式で端から端まで測った実測値ではありません。
MV-60の無限遠は魅力。でも、それだけでは決められない
一方、MareluxのMV-60は、公式案内では撮影距離が0〜無限遠。いざというとき、遠くにもピントが合うのは便利そうです。MV-60はまだ使っていないので、ここからは仕様を見て考えていることです。
冷静に考えてみると、ストロボを当てて魚の色を出したい撮り方では、光が届く範囲も大事です。遠くにピントが合っても、撮りたいように光を当てられなければ、その遠さを使う機会はあまりないのかもしれません。
逆に、浮遊系を追っているときに、奥の背景へピントが抜けてしまったらどうだろう。そこから戻す間にチャンスを逃すこともありそうです。
これはAFを同条件で比べた結果ではなく、撮影距離についての私の考えです。MFO-3なら背景に合わない、MV-60は迷いやすい、と確認したわけではありません。
なので、無限遠まで合うかどうかだけで、どちらが良いとは決めにくいですね。遠くも撮りたいか、近くの被写体を追うことが多いかで、重視するところが変わりそうです。
06 / MFO-3 REVIEW
気になるのは、重さと長くなる先端
良いところばかりではありません。まず、水中でも結構重いと感じます。
公式の重量は陸上602g、水中120g。それでも、実際にこの構成で使うと、軽くて何も気にならないという感じではありません。レンズが前に長く出ることも含め、取り回しは気になります。
それから、SMC-1と比べると、先端を守ってくれる縁がほとんどないように感じます。長くなった先端の距離感を見誤るのが怖い・・・。
岩やサンゴに当てないように、先端の位置は本当に気をつけたいところです。高いレンズをぶつけたくないですし、生き物やサンゴに触れずに撮れる距離も保ちたいですね。
07 / MFO-3 REVIEW
フリップを開くと、ハウジングに当たる
そして、一番不満なのがこれ。シングルフリップを開き切ると、MFO-3がハウジングに干渉します。
SEA&SEA MDX-D850、DXマクロポート87、Nauticamのシングルフリップ、MFO-3という、今使っている組み合わせで起きたことです。

いつもの左開きでも、右開きでも接触
普段は左側に開いて使っていますが、開き切ると写真の位置でぶつかります。右側に開く向きでも干渉するので、向きを変えれば解決、とはいきませんでした。
ハウジングだけでなく、MFO-3側にも傷
ハウジング側には接触した傷が付き、MFO-3の外周の縁にも傷が付いています。高い機材を組み合わせて、使うたびにここを気にしないといけないのは、本当にストレスです。
正直、この干渉はクソ過ぎる・・・。写りは気に入っているのに、ここは論外だと思っています。
これは手元の組み合わせでの話です。同じブランドなら全部当たる、という意味ではありません。フリップを使うなら、閉じた状態だけでなく、開き切ったときにレンズがどこへ来るかまで確認しておきたいです。
08 / MFO-3 REVIEW
今は陸上で付け替え。次はダブルフリップを考え中
現在、MFO-3とSMC-1の付け替えは陸上で行っています。MFO-3があれば、この構成で何のストレスもなく水中で切り替えられる、という状態ではありません。
今後は、MV-24が出たらMareluxのダブルフリップを買うことを考えています。MV-24とMFO-3、またはSMC-1とMFO-3の2本を付けて潜れたら、という構想です。
ただ、Mareluxのダブルフリップはまだ使っていません。このハウジングで干渉しなくなるか、ほかに必要な部品があるかは、購入前に確認するつもりです。
Nauticamのダブルフリップは、検討したときの値段が高すぎました。フリップにそこまで払うのは、私には無理です笑。今のところ、こちらを買うつもりはありません。
レンズ自体を気に入っていることと、周りのアダプターにいくら払いたいかは別の話ですね・・・。
09 / MFO-3 REVIEW
干渉は不満。それでも、買ってよかった神レンズ
今後もMFO-3は使い続けます。私の撮りたいものには、SMC-1以上に「買ってよかった」と感じるレンズでした。
小さな被写体を大きく撮るSMC-1とは役割が違いますが、今は浮遊系や生態行動を撮りたい気持ちが強いので、MFO-3の出番が多いです。
ハウジングとの干渉はストレスだし、そこには文句もあります。でも、大きめの魚や長いヒレ、動く被写体を撮れる範囲が広がったことは、かなり大きい。
レンズが合わなくて、会えた魚を撮れずに終わる機会を減らしたい。そのために買って、ちゃんと楽しめているので、間違いなく買ってよかったです。
入手状況について聞いた話
2026年9月末には、友人のダイビングショップ関係者がNauticamへ問い合わせた際、MFO-3は在庫がなく、生産が滞っていると聞いたそうです。詳しい原因までは確認できていません。
MV-60についても、友人がMareluxの代理店へ問い合わせた際、レンズのコーティングの不具合への対応中で、購入は10月以降になると聞いたそうです。どちらも友人経由で聞いた当時の話で、現在の在庫や納期を保証するものではありません。
欲しいと思っているなら、在庫と納期は早めに聞いておくとよさそうです。手に入るタイミングも含めて、次に撮りたいものに間に合わせたいですね。
同じ被写体・同じ距離で105mm単体とMFO-3を撮り比べる写真も、今度撮ってきたいと思っています。実際の画角の違いが分かる作例を追加できたら、もっと伝わりやすくなるはず。
ではまた〜












